きらめくフライパン

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父に初めて殴られた日、俺は家を飛び出した。
父は俺の鍛冶師になりたいという夢を応援してくれなかった。
勘当だと?上等だ!こんな家出て行ってやる!
俺には鉄を打つ才能があった。俺の作ったフライパンや鍋は高い評価を得た。
それを実家に送るも、やはり父は俺を認めてはくれなかった。
その態度にもう二度と実家には何も送らないと決めた。
そんな父が病気で倒れ、余命いくばくもないと母に聞かされ、病院へと急いだ。
父は俺の打ったフライパンを抱いていた。使い込んでいるのか、油が沁み込み、きらめいている。
俺がフライパンを送ったその日から、父は料理をするようになったという。
父が俺を見て口を開く。
「死んだ俺を、綺麗に焼き上げるフライパンを作ってくれないか?」
父の最後の願いに俺は頷いた。
父の火葬には俺の作ったフライパンが使用された。
焼き上がった父を見て、参列者は「目から涎が溢れるね」と涙ながらに笑った。
公開:24/03/27 21:04

幸運な野良猫

yahoo!サーバーに問題が発生したらしく2022年9月1日より2週間入れなかったので新規にアカウント取得。
半年以上毎日Yahoo!IDでログインを試みるも、現在進行形でログインできない状態です。#EY003って何だ?
運営に報告するも、ずっと無視されております。自動応答メールだけが返ってくる…1年経過で、もう諦めた…

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