ナンチャラチャ

4歳の息子とアニメを観た。戦隊ヒーローマッチャマンが戦うのはナンチャラチャ星人だ。結局ヒーローが劣勢を挽回して勝利する、お決まりのパターン。

見終わると「パパ、マッチャマンごっこしよう」と言われ僕はナンチャラチャ星人になる。

そんなことをしていたせいか、ナンチャラチャが耳から離れなくなり、意思に反して「ナンチャラチャ」を発するようになってしまった。

「あなた、お風呂掃除して」
「ナンチャラチャ」
なんて具合に。

会社では極力こらえたが、時々出てしまう。
「書類お願いします」
「ナンチャラチャ」
これは意外な反響があって「前島さん、このごろお茶目」なんて言われたりした。でも上司との会話では要注意だ。

そんなある日、目覚めると僕はナンチャラチャ星人になっていた。何か言おうとしてもナンチャラチャしか言えない。
息子は喜んだが、僕はずっとナンチャラチャとして生きていくのだろうか。