ネバー遊園地

いつの間にか夜の遊園地の入口前にあた。
愉快な音楽とたくさんの子供達の声が聞こえる。不思議に思う僕の元へ、ワニの着ぐるみがやってきた。
「ようこそ！ここは子供だけのずっと楽しい遊園地！君にもポイントカードをあげようね」
ラジオ体操のスタンプカードみたいなものを渡された。
「それが全部埋まると、君の願いは何でも叶うのさ！」
そうなんだ、と思いながらカードを受け取ろうとして手が止まる。そして着ぐるみに言った。
「ぼく、今度パパとママと遊園地行くんだ」
だから、楽しみは今度にしておく。
そう言うと着ぐるみはつまらなさそうな顔をして、出口まで案内してくれた。
出口に向かっている時、遊園地から聞こえる子供達の声が、何だか泣いている声に聞こえるのが少しだけ気になったな。
あと、着ぐるみの隙間から赤い肌が見えたのも。



そのあと病院で目を覚ました僕は、遊園地で遊ばなくて良かったって心から思ったんだ。