三日月の夜にお待ちしております

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真っ白な満月が浮かぶ夜。
僕は行列に並んでいた。

お目当ては、とある施設の優先入園券。
その施設とは、月をテーマにした幻想的な雰囲気が人気の遊園地。
SNSを中心に話題となり、今では『優先入園券』が、実質の入園チケットとなっているほど。

並ぶこと数時間、やっと順番が回ってきた。

「大人、二枚」

受付のお姉さんは、2枚のチケットを差し出してこう言った。

「では、次の三日月の夜にお待ちしております」

受け取ったチケットには、三日月のイラストとともに『3月3日のみ有効』とあった。

3月3日?

僕は疑問を投げかけた。

「あの…?これは来年の…ですか?」

お姉さんは不思議そうに一言。

「…いいえ」

僕はモヤモヤを抱えながら2枚のチケットを受取った。

次の三日月の夜…?

僕はスマホで次の三日月の夜を調べた。

…あ!そういうことか…。

僕は4月のカレンダーに予定を入れた。
ミステリー・推理
公開:24/03/21 23:51

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