きらめくフライパン

森で一人キャンプ中、愛用のフライパンを泉に落としてしまった。
すると泉から女神様が現れ、僕にこう聞いてきた。
『貴方が落としたのは金のフライパンですか？それとも銀のフライパンですか？』
「どちらでもありません。僕が落としたのは擦ると魔神の出てくる魔法のフライパンです」
僕の答えに絶句する女神。金と銀のフライパンを仕舞うと、僕のフライパンを手にキュッキュと擦った。
『お呼びですか、ご主人様』
目が点になる女神。そりゃそうだろう。
だが、様子がおかしいのは女神だけではない。魔神の目も点になっている。
しかも二人とも何だか顔が赤い。もしかして…お互い一目惚れでもした？
黙って頷く魔神と女神。
それを見た僕は、魔神に女神を自由にするよう願い。次に魔神が自由になるよう願った。
そして二人の幸せを願い、新たな門出を祝福する。
魔神の出なくなった愛用のフライパンで料理を作り、３人で黄金時間を過ごした。