いつかもう一度、ここでキミと

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今日は私の誕生日。孫と遊園地に来た。歳だが遊園地は大好きだから。
しかし人混みに酔ってしまい、私はベンチで休み、孫は飲み物を買いに行った。
一人でいると、ウサギの着ぐるみがやって来て私に風船をくれた。
「おやありがとう。でも私は歳だから、それは小さい子にやんなさい」
断るが、着ぐるみは私に風船を差し出したまま。仕方ないので一つ受け取る。
そして思い出す。そういえば昔、爺さんと二人でここにデートに来たなぁ。もう一度来ようと言ったけど、そのすぐ後爺さんは事故死してしもうたなぁ。
「爺さんとまた来たかったねぇ」
そう言うと、着ぐるみがポンポンと頭を撫でた。懐かしいような手つきにハッとして顔を上げると、孫がいた。
「おばあちゃん大丈夫?その風船どうしたの?」
さっきの着ぐるみはもういない。でも、風船は残っていた。…そういえば、爺さんウサギが好きだったなぁ。

ハートの風船が風にゆらゆら揺れていた。
その他
公開:24/03/21 07:37

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