壊すなら遊園地

6
4

「今からでも普通のビル郡にしてもらえませんかね」
「いや、やっぱり壊すなら遊園地だよ」
会議室で話す片っ方の肉体はゴツゴツしており口は裂け、手は短く、怪獣そのものであった。
「いやぁ、遊園地を破壊されてしまいますとなかなか費用がかかったり、市民が反対したりですね…」
「それは君らの仕事じゃないか。私は気持ちよく破壊さえ出来ればいいんだ。遊園地はアトラクションで材質が違うからね、触感や聴こえ方等の五感で楽しめるんだよ」
「いやでも子供達も悲しむんじゃないかなって…」
「そんなの悲しませれば良いだろう。それこそ怪獣である私の本望だよ」
「でも、あのええと…市長である私の支持率も…」
「ワハハ。そんなの怪獣が訪れた地として市を再建すれば簡単に鰻登りだろう。とりあえず来週は遊園地のルートを通らせて貰うからね!頼んだよ!」
「は、はい…」
怪獣はドシンドシンと豪快な足音を鳴らし、会議室を出ていった。
SF
公開:24/03/17 16:55
更新:24/03/17 21:00

リマウチ

超ショートショート書いていきます

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容