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にじり口をくぐれば、ふわりと香るい草の香り。畳の敷き詰められた広い部屋の中心には、大型ロボのRIKIYUが控え、彼を囲むように大きな湯呑みが五つある。私以外は外国からの旅行者だろうか?抑えた声で「ワーオ…」と感嘆しあっている。すり足で畳の上を進み、手触りの気に入った湯呑みへ乗り込み正座で待つ。

―ホーホケキョ♪

鶯の囀りがアトラクション開始の合図。
RIKIYUが抹茶をたて始めると、素早く心地のよいシャカシャカ…という音に合わせて湯呑みがゆっくり回り出す。コーヒーカップのようなスピード感はないけれど、次第に膨らむ抹茶の香りに浸りつつ、緩やかな回転に身を任せるこの感じがたまらなくて、ここへ来たら必ず乗るアトラクションの一つだ。周りのお客も「エクセレント…」と静かに言って夢見心地。
穏やかな数分間の後、湯呑みの回転が止まると私達は口を揃えてRIKIYUに伝えた。

「結構なお手前で…」
ファンタジー
公開:24/03/17 15:23
更新:25/03/09 10:10
遊園地

花笑みの旅人( 気の向くまま )

ページを開いてくださり、ありがとうございました!

ショートショートも感想も自分の「今、これ好き」を一番大切にしつつ、気まぐれに書いていこうかなぁと思います。あとシンプルにとても気分屋〜(⁠◔⁠⁠◔⁠)

※6月12日〜6月末まで、色々と鍛える為に以前よりチャレンジしてみたかった毎日投稿をやってみることに決めた!!

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