移動紙式遊園地（いどうしきゆうえんち）

移動紙式遊園地を運営する私は空き地に本を並べる。その様子に子ども達は目を輝かせる。
１冊めを開くとメリーゴーランドが飛び出した。
２冊めは観覧車。３冊めはコーヒーカップ。４～７冊めまでを繋げるとジェットコースターの完成だ。
飛び出す絵本の遊園地。紙で出来た作り物と侮る事なかれ。小規模ではあるが本物の遊園地とそん色ない。
とはいえ雨が降れば外で本は開けない…そんな時は屋内でワークショップを開く。飛び出す絵本を作ってみたい子ども達も多い。
折り紙で作ったパンダに乗って遊ぶ子ども達。絵を描いて、お化け屋敷の中に配置する子ども達。
子ども達は遊びの天才だ。一つ作り方を教えると十は新しいアトラクションが生まれる。
子ども達の自由な発想のおかげで移動紙式遊園地にアトラクションが次々と増えていく。
中でも一番驚いたのは紙飛行機のエアポート。子ども達は自慢の紙飛行機で絵本から飛び出した空港へと遊びに来る。