怪我の代償

0
1

些細なことでいじめは始まった。
リーダーのアイツはいつも指示するだけ。
いじめは日に日にエスカレートしていった。

その日の放課後、ボコボコに腫れあがった顔でアイツ等のたまり場に行った。
周囲はあまりの酷さに騒然となり

「酷くね?」「あんなにしなくてもいいんじゃ。。」

そんな声が聞こえる。
痛みを堪えるようにゆっくりとアイツの元へ歩いていく。

「これだけしかなかった。ごめんなさい」
そういって握った一万円札をアイツに渡そうとする。

「な、なんだよ、なにやってんのお前」

狼狽えるアイツ。
すると、周囲から

「おい、ちょっとやりすぎだって」
「もう抜けるわ」
「付き合ってらんねぇわ。行こうぜ」

その場には僕ら二人だけ残された。

「俺、金なんて持って来いって言ってねぇだろ!それにその顔。。」

僕はできるだけ伝わるようにニッコリ笑って言った。

「うん。自分で殴っても痛いね」
その他
公開:24/03/18 15:22

よよん

仕事の合間に書き始めました。
少しでも楽しんでもらえたら嬉しいです。

コメントはありません

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容