小さな光と待つ閉園

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不安気に揺れる小さな光と、カラフルな煌めきで溢れる夜の遊園地を並んで歩く。

「大丈夫、パパとママは絶対に見つかるよ。」

ここで働くようになってから5年。沢山の迷子に出会ってきたが、この子のような迷子は初めてだ。一旦ベンチに座り、フードコートで紙コップに入れてきた水を小さな光に飲ませる。

「このお水、甘くない…」

俯く光を指先で撫でて、私は励ます。

「私とここで、もう少し待ってみよう?」


閉園後。
遊園地に静かな暗闇が広がっていく中、大切なものを探すように彷徨う温かな光が二つ現れた。

「パパ!ママ!」

二つの光へまっすぐに飛んでいく小さな光。三つの光は抱きしめあうように合流すると、「ありがとう」とこちらへお辞儀するみたいに揺れて夜空へ飛んで行った。
今夜は星が綺麗だ。瞬く星に紛れて、もうどの光があの親子なのかわからないが、私は手を振り見送り続けた。鼻歌の「蛍の光」とともに。
ファンタジー
公開:24/03/18 12:00
更新:24/06/23 17:10
遊園地 迷子 遊園地の夜は光でいっぱい!

ネモフィラ(花笑みの旅人)( 気の向くまま )

読んでくれてありがとう!

寒い季節になったから、気が向いた時にふらりと立ち寄ってゆるーく投稿しています。

 

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