食べられる島

今年の夏は暑いと聞き、僕は食品インスタン島を購入する。
それを海へと投げ込み、３分待つと小さな浮島の完成だ。
早速上陸する。まずヘンゼル＆グレーテル印のお菓子の家を建てる。
テントを立てるくらい簡単なお菓子の家。言ってみればこれは海の上のソロキャンプである。
インスタン島は食べられる島。早くも島を食べに魚が集まってきたので釣りに興じる。
中々の釣果。この分だと、お菓子の家を食べずに済みそうだ。
のんびり一人の時間を楽しんでいると、会社の上司達がわざわざ泳いでインスタン島にやってきた。僕から島を奪う気だな。
上司は僕に命令する。この島をもっと沖の方へと持って行けと。無人島気分を味わいたいようだ。
やれやれ…僕は地元漁師に頼み、インスタン島をクレーンで引っ張り、沖へと運ぶ。
僕は漁船の上で大きな魚影を見た。それはインスタン島を丸呑みする。
僕と漁師はバカな上司達を餌に大物が釣れたと大喜びした。