観覧車になんか転生してたまるもんか!
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「いきんでくださーい。頭出ますよー」
この声を最後に、私の意識は深くて静かな闇の底に落ちていった。
気がつくと、とても高いところにいた。足下にはジェットコースターのレールが広がる。体を動かそうとしたが、びくともしない。私は観覧車に"乗っている"のではなく、観覧車に"なっている"ようだ。体の中に一箇所だけ動くところを見つけた。ぐっと力を入れると、スピードが上がり、あちこちから悲鳴が上がった。あわてて元に戻すと、ぐわんぐわんとゴンドラが揺れた。
しばらくして、ゴンドラのひとつから聞き慣れた声がすることに気づいた。
「ままとあかちゃんものれる?」
「きっと乗れるよ」
パパとみーちゃんだ。パパはあんまり元気がない。
この瞬間、私は自分に課せられた使命を思い出した。観覧車になんかなってたまるか!一緒に乗るんだ!
闇の底に光が差した。
私は大きく息を吸って力一杯声を上げた。
「おぎゃーっ」
この声を最後に、私の意識は深くて静かな闇の底に落ちていった。
気がつくと、とても高いところにいた。足下にはジェットコースターのレールが広がる。体を動かそうとしたが、びくともしない。私は観覧車に"乗っている"のではなく、観覧車に"なっている"ようだ。体の中に一箇所だけ動くところを見つけた。ぐっと力を入れると、スピードが上がり、あちこちから悲鳴が上がった。あわてて元に戻すと、ぐわんぐわんとゴンドラが揺れた。
しばらくして、ゴンドラのひとつから聞き慣れた声がすることに気づいた。
「ままとあかちゃんものれる?」
「きっと乗れるよ」
パパとみーちゃんだ。パパはあんまり元気がない。
この瞬間、私は自分に課せられた使命を思い出した。観覧車になんかなってたまるか!一緒に乗るんだ!
闇の底に光が差した。
私は大きく息を吸って力一杯声を上げた。
「おぎゃーっ」
公開:24/03/16 01:19
北海道出身です。
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