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郵便ポストが多い町だ。交差点よりも多いのではないだろうか。夜になるとツキヨダケのように光る、と聞いたので宿をとることにした。旅館は木札の靴箱がある二階建てで、入口の左右に郵便ポストがある。「狛犬みたいだね」と言うと、女将は首を傾げた。
二階の六畳間に通される。籐椅子に座って通りを見下ろすと、そこらじゅうに郵便ポストが見える。電柱より多いのではないだろうか。もっとよく見ようと窓から上半身を乗り出していると、「何か見えるかね」と言う声がした。仲居が膳を持ってきたのだ。そこで「郵便ポストは何時ごろ光るかな?」と尋ねてみたが、首を傾げるだけだった。
風呂を出て、町を月明かりに透かし見ながらビールを飲む。あれが全部光ったら壮観だ。と思いながら飲む。そして気づけば朝だった。
出立の時、「夕べは光ったかね」と尋ねると女将は「いつも光りますので」とそっけなく言った。郵便ポストは全部西を向いていた。
二階の六畳間に通される。籐椅子に座って通りを見下ろすと、そこらじゅうに郵便ポストが見える。電柱より多いのではないだろうか。もっとよく見ようと窓から上半身を乗り出していると、「何か見えるかね」と言う声がした。仲居が膳を持ってきたのだ。そこで「郵便ポストは何時ごろ光るかな?」と尋ねてみたが、首を傾げるだけだった。
風呂を出て、町を月明かりに透かし見ながらビールを飲む。あれが全部光ったら壮観だ。と思いながら飲む。そして気づけば朝だった。
出立の時、「夕べは光ったかね」と尋ねると女将は「いつも光りますので」とそっけなく言った。郵便ポストは全部西を向いていた。
ファンタジー
公開:24/03/15 21:32
新出既出です。
twitterアカウントでログインしておりましたが、2019年末から2020年年初まで、一時的に使えなくなったため、急遽アカウント登録をいたしました。過去作は削除してはおりませんので、トップページの検索窓で「新出既出」と検索していただければ幸いです。新出既出のほうもときおり確認したり、新作を挙げたりします。どちらも何卒よろしくお願いいたします。
自己紹介:「不思議」なことが好きです。
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