バターフライ

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「なぁ、“バターフライ”って知ってるか?」

何かは知らないが、今日のこいつは妙にうきうきしていて気持ち悪い。

「蝶だよ、蝶!こういう真冬の時期だけ動きだすんだけど、それがおもしれーの!身体がバターみたいで羽は衣の粒が集まったような感じでさ~そんなんだから夏は出て来れねーのかもな。」

あ~、溶けちゃったら大変だもんな。

「で?それが?」
「超超超貴重な種類で、見つけたら一攫千金!!」

あ~だからうきうきしてたんかい。
しかしそんな簡単に…

「あ!」

友だちが指差すほうをみると…何とたしかにそれらしい蝶が飛んでいた!!? いや…

「あれは…ハッ!!」
「一攫千金!!」

飛び跳ねる背中を待て待て待て、と追いかける。 あれは俺の課題工作物だ!誰かが勝手に動かしたな!?

「全く…」

ふと、油分を含んだ香りが鼻をかすめた気がした。

まさか、な。
その他
公開:24/03/10 20:32
更新:24/07/21 11:08

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