カブトムシ
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もうすぐ40を迎える独身の男、佐藤。
佐藤家の四畳一間は、残飯と段ボールだらけのゴミ屋敷。収入も少なく、俳優の夢も破れかけている。
そんな佐藤に転機が訪れた。
バイトの帰途にある公園近くで、道に飛び出したサッカーボールが佐藤のもとへ転がってきた。
「おっさん、ボール蹴ってくんない?」
佐藤は蹴り返そうとしたが、その時、あることに気づいた。
カブトムシがいたのだ。道路にどうして…
佐藤は少々疑問に駆られてしまい、返すはずのボールが道の中央に外れてしまった。
その目線の先では、法定の倍の速度で猛進する軽トラックが、ボールを追う小学生とカブトムシの身に迫っている。
「危ない!」
佐藤は寸前で小学生を押し返した。その時、思った。俺は人間社会には向いていなかったと。
そして、車に衝突しそのまま息を引き取った。
その日から、佐藤の家にはカブトムシが棲むようになった。
佐藤家の四畳一間は、残飯と段ボールだらけのゴミ屋敷。収入も少なく、俳優の夢も破れかけている。
そんな佐藤に転機が訪れた。
バイトの帰途にある公園近くで、道に飛び出したサッカーボールが佐藤のもとへ転がってきた。
「おっさん、ボール蹴ってくんない?」
佐藤は蹴り返そうとしたが、その時、あることに気づいた。
カブトムシがいたのだ。道路にどうして…
佐藤は少々疑問に駆られてしまい、返すはずのボールが道の中央に外れてしまった。
その目線の先では、法定の倍の速度で猛進する軽トラックが、ボールを追う小学生とカブトムシの身に迫っている。
「危ない!」
佐藤は寸前で小学生を押し返した。その時、思った。俺は人間社会には向いていなかったと。
そして、車に衝突しそのまま息を引き取った。
その日から、佐藤の家にはカブトムシが棲むようになった。
ファンタジー
公開:24/03/13 09:38
更新:24/03/14 08:45
更新:24/03/14 08:45
2023/10/19に参戦した新参者です。忌憚のないコメントお待ちしております。
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