月一アイドル
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                                冴えない平凡なOLの私は、月に一度だけアイドルになる。
ステージは小さな箱の中。
ドリンクバーで選んだ烏龍茶をテーブルにおいて、曲を選び、マイクを持つ。
観衆はいない。
拍手もない。
でも、それで充分だ。
マイクの音量を上げて、思い切り声を出す。
普段は謝ってばかりの口からは、信じられないような大きな声が出る。
ミスをしたって怒る人なんていない。
ただ、自分が歌いたいように歌う。
何曲も何曲も歌い続け、気付けば烏龍茶の氷がもうとっくに溶けたころ、連絡が入る。
「お時間五分前です」
冗談じゃないな。ようやくこの狭いステージも私も温まった頃合いなんだから。
「延長で」
私は迷いなくそう答え、再び曲を歌い始めた。
    ステージは小さな箱の中。
ドリンクバーで選んだ烏龍茶をテーブルにおいて、曲を選び、マイクを持つ。
観衆はいない。
拍手もない。
でも、それで充分だ。
マイクの音量を上げて、思い切り声を出す。
普段は謝ってばかりの口からは、信じられないような大きな声が出る。
ミスをしたって怒る人なんていない。
ただ、自分が歌いたいように歌う。
何曲も何曲も歌い続け、気付けば烏龍茶の氷がもうとっくに溶けたころ、連絡が入る。
「お時間五分前です」
冗談じゃないな。ようやくこの狭いステージも私も温まった頃合いなんだから。
「延長で」
私は迷いなくそう答え、再び曲を歌い始めた。
        その他
      
      公開:24/03/06 07:19      
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