ラウル

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古より山々に佇む、既に仙人となりし人々の集う村、ラウル。彼らは孤独な修行を幾年も積み重ね、遂には精神力を物理攻撃へと転化させる力を持つようになった。
しかし、そんな彼らをオーガと恐れ、次第に蔑み、現代技術によって転覆を企む組織、オメガによる核開発が着々と行われていた。


「ラウルに潜伏できたか、応答せよ」

「はい、隊長。ラウルに潜伏しました。これより核攻撃計画、実行します」


隊員は、上空のヘリで待つ仲間に手で合図を出した。落下地点に照準を合わせるためだ。

そして簡易核シェルターを設置し、その内部から発射のサインをヘリに向けた。


「うっ…あああ゛!!」


仲間の目から右手が出ている。すると鼻から左手も出始めた。墜落寸前のヘリから発射ボタンが落ちてくる。

隊員はすぐに拾い、勢いよく押した。しかし作動しない。


ボタンを持つ腕は既に消えていた。核シェルターの中で爆発したのだ。
SF
公開:24/08/04 05:32
更新:24/08/11 04:44

かずま( 関東地域 )

2023/10/19に参戦した新参者です。忌憚のないコメントお待ちしております。

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