父譲り

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小さい頃ビールの泡を見るのが好きだった
父が毎日コップにビールを注いで飲んでいた
透明なコップに注がれる黄金色の液体の上には白い泡
私はビールの泡が不思議でたまらなかった
その美しいコントラストに子供ながらにうっとりしたものだ
お風呂上がりに食卓でビールを飲む父
ゴクリゴクリと喉を鳴らしながら飲む父につられて私もつばを飲んでいた記憶がある
いつも父の鼻の下には泡がついていた
まるで誇らしげな白い髭のように
私はさぞ美味しいんだろうなと羨んで見てた
そんな私も20歳を過ぎた今はビールに舌鼓をうっている
あの時わからなかった味も意味も今ではわかる
ビールの泡についてもいろいろ知った
周りからはそんなに泡立てないで飲みなよなんて言われる事も多いけど
ちがうんだなー わたしのビールの飲み方はこうなんだ
泡で髭をつくりながら飲む!
私の脳裏にはビールを美味しそうに飲む父の姿が焼き付いているんだから
その他
公開:24/08/04 17:00

icchi

頭の中に浮かんでは消える意味のない想いのようなものを成仏させてあげたくて書いてます

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