「星空」「駄菓子屋」「眼」

0
2

 午前二時に家を抜け出して、星空を見に来た。あたりの光はすでに落ちていて、月もすでに沈んでいる。満天の星空だが、あいにく衰えた私の視力ではそれほどたくさんの星は確認できない。あるはずなのに見れないということは、ちょっとだけ私を寂しくさせた。今度眼鏡を新調しないと。
 天頂では巨大な三角形が認められ、私は星の名前を唱えようとするもすぐに出てこない。私は頭の位置を変え、星の並びからデネブを認めた。ならばあれがアルタイルで、これがベガだ。するとベガがその一点をになうあの星の並びこそが駄菓子屋座ということになる。古代中国で子供に飴細工を売っていた商人を星空に幻視したというのが始まりで、けっこうその起源は古いと聞いている。のどが渇いてきた。コーラが飲みたい。できれば駄菓子屋のクーラーでキンキンに冷やされたやつを。
その他
公開:24/08/03 03:50

コメントはありません

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容