お気に入りの家電について

『やあ、赤ずきん。元気かい？お婆ちゃんは見ての通り、若々しい肉体を手に入れたよ』
画面の中、私に話しかけてくるお婆ちゃん。その声はお婆ちゃんのものなんだけど…画面に映っているその姿は、どう見ても私の知っているお婆ちゃんじゃない。
『お婆ちゃんね、バ美肉を手に入れたの』
バ美肉って…お婆ちゃん…まさかとは思うけど、配信始めようとか思っていないよね？
『もう始めているわよ？』
始めているの！？
『ええ、この前写真集も出したの。写真を撮ってくれた狩人さんね、「これが僕の天職かもしれない…」って驚いていたわ』
狩人さんまで巻き込んで！？
嘘だ…これは嘘に違いない…
そうか！これはきっと、狼さんがまた私を騙そうとしているのね！そうに違いないわ！
『狼さんなら私の妹という設定で一緒に活動しているわよ』
ぅわぉん…
『赤ずきん、今度貴方も一緒にやらない？私の愛用のモーションキャプチャー貸してあげるわよ』