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カプセルトイ式プラネタリウムが登場した。なかに入っている石を台に見立てたカプセルのうえに置くと、周囲に星空を映しだすのだ。
欲しかったわけじゃないけれど、会社からの帰り道、気まぐれに一回まわしてみた。SNSには美しい瑠璃色の石が上げられていたから、土留色の石が現れた時には心底がっかりした。三百円、損した気分だった。
「こんなことなら、298円の焼き肉弁当買えばよかったな……」
そうつぶやきながら入浴していると、どこからともなく香ばしい匂いが漂ってきた。給料日まであと一週間。肉なし回鍋肉でしのぐ予定だったので、熱に浮かされたように寝室へ行った。
目に飛び込んできたのは、マンガにでてくる肉の塊。壁一面、無数に投影されている。おいしそうな匂いは、土留色の石が放っていた。どうやら私は、稀にでるエラー品に当たったらしい。
カプセルプラネタリウムは、夕飯のお供になった。
欲しかったわけじゃないけれど、会社からの帰り道、気まぐれに一回まわしてみた。SNSには美しい瑠璃色の石が上げられていたから、土留色の石が現れた時には心底がっかりした。三百円、損した気分だった。
「こんなことなら、298円の焼き肉弁当買えばよかったな……」
そうつぶやきながら入浴していると、どこからともなく香ばしい匂いが漂ってきた。給料日まであと一週間。肉なし回鍋肉でしのぐ予定だったので、熱に浮かされたように寝室へ行った。
目に飛び込んできたのは、マンガにでてくる肉の塊。壁一面、無数に投影されている。おいしそうな匂いは、土留色の石が放っていた。どうやら私は、稀にでるエラー品に当たったらしい。
カプセルプラネタリウムは、夕飯のお供になった。
その他
公開:24/08/01 09:06
☆やコメントありがとうございます✨
以前のアカウントにログインできなくなってしまい、つくりなおしました。
清流の国ぎふショートショート文芸賞 入選
ときどき短編〜長編も書いています(別名義もあります)
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