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「泡焼き七つ!」

空を舞うぶつ切りのタコやイカの入った透明な泡の美味しそうな煌めきに釣られ、海辺の屋台で泡焼きを注文する。
泡焼き屋のおじちゃんは慣れた手つきで泡焼き液に手作りのポイを浸すと、日差しでよく熱された夏空の鉄板に大きく手を振って泡を作り、海鮮を投げいれていく。

「泡が割れないように素早く具を入れるのが、泡焼き職人の腕の見せ所ってね!」

自分で自慢したのに「へへっ」と照れ笑いしてから、おじちゃんは日加減を見つつうちわでパタパタと潮風を送り始める。泡をくるくる回転させて満遍なく日焼けさせていけば、煌めきが増した泡の中の海鮮たちも踊り出す。

「お待ちどう!」

泡が最高の煌めきに焼けると、おじちゃんは網でひょいと集めて大きな海色の袋に泡焼きを詰めてくれた。
そっと袋をあけて浮かんできた泡焼きの一つを大きな口で迎えいれると、パチンと弾けて舌の上にぶつ切りのタコが華麗に着地した。
ファンタジー
公開:24/07/29 00:00
更新:24/08/29 20:42
カロリー低めだから おやつにも夜食にも おつまみにも予約投稿にも

ネモフィラ(花笑みの旅人)( 気の向くまま )

読んでくれてありがとう!

寒い季節になったから、気が向いた時にふらりと立ち寄ってゆるーく投稿しています。

 

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