泡屋

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真夏限定で現れる、泡にまつわるものなら何でもそろうという「泡屋」を訪れた。
店頭には、キンキンに冷えたクラフトビールが並べられ、ビアホールも開設されている。泡屋の目印になっていてまさに夏本番だ。
店の中には、泡を出す洗顔石鹸やハンドソープ、シャンプー、入浴剤、洗剤のほか、泡を作る泡立て器までさまざまな日常品が所狭しと陳列されていたり、田河水泡の『のらくろ』漫画のような泡が付く有名人の作品まで置かれている。
実は、泡屋がすごいのはここからで、店の奥は珍品の宝庫だ。人魚姫の泡やバブル経済の泡など全国各地から集められた激レアものが、泡マニアの間で垂涎の的となっている。
ただ「水泡に帰す」という言葉があるとおり、泡屋の存在自体が泡のようで、真夏が過ぎると突然跡かたもなく姿を消して店じまいする。
でも心配しなくていい。来年の真夏になればまたどこかの場所で店を始めることだろう。ビアホールとともにーー。
その他
公開:24/07/27 06:56
更新:24/07/27 14:47
真夏 クラフトビール ビアホール 田河水泡 のらくろ 人魚姫 バブル経済 マニア 水泡に帰す

SHUZO( 東京 )

1975年奈良県生駒市生まれ。奈良市で育つ。同志社大学経済学部卒業、慶応義塾大学大学院政策・メディア研究科修了。
田丸雅智先生の作品に衝撃を受け、通勤中や休日などで創作活動に励む。
『ショートショートガーデン』で初めて自作「ネコカー」(2019年6月13日)を発表。
読んでくださった方の琴線に触れるような作品を紡ぎだすことが目標。
2022年3月26日に東京・駒場の日本近代文学館で行われた『ショートショート朗読ライブ』にて自作「寝溜め袋」「仕掛け絵本」「大輪の虹列車」が採用される。

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