涙のバブルバス

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バスタブにバブルバス用のバスミルクを入れて、あわあわのバブルバスにした。

白いふわふわのバブルで満たされたバブルバスに体を沈め、私は子どもみたいに泣いた。

失恋した。
彼が好きだった。好きすぎて、いつからか重い女になってしまった。その重さで彼を苦しめてしまった。
「嫌いになったわけじゃない。でも、僕たち別れた方がいいと思う」
彼は最後まで優しかった。ほんとは私、知っていた。あなたの心にもう私はいないことを。気づかないふりをしていた。あなたを失うのが怖かったから。

あなたとの思い出を泡に変えて忘れてしまえたら。
あなたを失った悲しみを泡と一緒に流してしまえれば。
そうすればきっと楽になれる。
でも、私はまだあなたが好きで、忘れたくないと心が叫んでいる。

バブルバスの泡はやさしく私の体と心を包んでくれる。

だけど泡は消えていくのね。
私の恋みたいに。
恋愛
公開:24/07/26 20:26
更新:24/08/04 13:53

ジャスミンティー

2023年10月から参加しています。作品を読んでいただき、ありがとうございます。

最近noteへの投稿も始めました。よろしかったら、そちらもご覧ください。エッセイ、短歌なども載せています。https://note.com/real_condor254 
 

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