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「…最近、毎朝目元のむくみが酷く化粧のノリも悪い。よろしく頼むぞ。」

就寝前。ベッドに腰かけ、姿は見えぬが確実にこの部屋のどこかに控えているであろう私の美容の味方へ、手短に用件を告げる。

――御意

静かで無駄のない返答に私は深く頷き眠りについた。
翌日、カーテンから漏れてきた光に揺り起こされて開いた目はぱっちりで、ベッドを出て鏡の前で肌に触れてみれば艶も張りもあり、フェイスラインまでスッキリしていた。

「そなたに任せて正解だった。今日もよい仕事だ。」

頼れる私の美容家電、忍美顔器に礼を告げる。

「生活習慣の乱れが気になるでござる。お気をつけなさいませ。」

その姿を現すのは充電時だけ。主の生活を陰から見守り、蒸気や超音波等を駆使した美容忍法で私の美と健康を支えるお気に入りの家電だ。忍美顔器からの忠告に、私は自分の頬を軽くぺちんと叩いてから「あいわかった!」と答えるのだった。
ファンタジー
公開:24/07/23 06:50
月の音色 お気に入りの家電について 美顔器は使ったこと ないんだけどさ(笑

ネモフィラ(花笑みの旅人)( 気の向くまま )

読んでくれてありがとう!

寒い季節になったから、気が向いた時にふらりと立ち寄ってゆるーく投稿しています。

少し早いですが、よいお年を!

 

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