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「ありがとう、買ってきてくれたのね」

み空色のドレスを着た彼女は
プレゼントをした泡時計を見て喜んでいる。
砂時計に似ているが、泡時計は中に泡が入っていて少しずつ上がっていく。

「貴方にとっては正確な時間を計れない時計だけど、私にはとても意味がある物なの」

どういう意味だろうか。
泡時計の泡は不規則にコポ、コポリ、コポポと音を立てている。

「時間は一定ではないけど時間の感じ方も、それぞれ違うわ」
僕はビールを飲みながら彼女の話に聞き入っている。

「私にとっての正確な時間は泡時計で計れるの…
今、時間を計る必要があるのか?って思ったでしょ」
驚いた、心を読まれてしまった。

「ほら、もうすぐね」
泡時計の泡が全て上がった。


「夕食の時間だわ、お願い」



僕は袋を取り出して彼女に食事を出す。


み空色の熱帯魚は上品にエサを口に運ぶ。

水槽に波紋が広がり泡沫が舞った。
ファンタジー
公開:24/07/20 22:24
更新:24/07/22 11:08

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