テストに出る

「この幽霊、テストに出るぞ」

日本史の教師から予告されていたにも関わらず、私はその問題・平将門について答えられなかった。
問題用紙に描かれた平将門が私を睨んでくる。テストを邪魔してくる。
きっと他の皆はちゃんと平将門の霊を鎮めるお経を暗記して、それを書いてからテストに挑んでいる事だろう…
こんなことならもっとちゃんと覚えておくんだった…

数日後、答案用紙が返ってくる。
平将門の霊に邪魔されたせいで散々な点数だった。
私は先生に補修を願い出た。
私の手元の問題用紙には今、平将門の姿がない。どうやらテストから出てしまったようだ。
放っておくとあれはきっと私を呪い殺しに来る。
そうなる前に、しっかり封印して二度とテストから出てこないよう補修しておく必要がある。