きょうの神様

子どもの頃、おばあちゃんが言っていた。「今日という日を大切にね。今日の神様は今日のユイちゃんを見守ってくれているのよ」と。

毎年12月になると大神様が神様たちを集め、重要な会が開かれる。選ばれた365人の神様には翌年に担当する日が割り振られ、その日の神様になるそうだ。
「だから時々上を向いて神様がいる空を見てね。そして今日生きていることに感謝してね」
おばあちゃんは言った。

人間は時々、生かされていることへの感謝を忘れてしまう。誰一人として明日が保証された人はいないのに。人間がそのことを忘れず今日を大切にしてほしいと願い、今日の神様は今日の私たちを見守ってくれている。

私は今日も空を見上げる。「ありがとう。今日も頑張ります。見守っていてください」
今日の神様も、やさしかったおばあちゃんも、きっと空から今日の私を見守ってくれている。そう思うと勇気が湧いて、頑張れそうな気がしてきた。