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『夏シャンプー始めました』と書いた看板を外に出していると、さっそくお客さんがやってきた。半年に一回、遠くから来てくれるサイトウさんだ。
「おはよう、今日も暑いねえ!」
「いつもありがとうございます。中はエアコン効いてますよ、どうぞ!」
サイトウさんは愛用の手ぬぐいで汗を拭っている。席に案内すると、穏やかな口調で言った。
「夏シャンプーと、変わったカットをお願いします」
「変わったカット……ですか?」
「ええ。誰も見たことないような、奇抜なカットにしてみたいんです」
「うーん。難しいご注文ですが、なんとかやってみますね」
何度かやり取りを重ね、二時間かけてようやくサイトウさんが気に入るスタイルになった。長い毛を短く整えつつ、背中全体に段を入れた。名付けて『段シャリ』カットだ。
モデル業をしているサイトウさんのおかげで、ポメラニアン界では一大ブームになった。向こう一年まで予約でいっぱいだ。
「おはよう、今日も暑いねえ!」
「いつもありがとうございます。中はエアコン効いてますよ、どうぞ!」
サイトウさんは愛用の手ぬぐいで汗を拭っている。席に案内すると、穏やかな口調で言った。
「夏シャンプーと、変わったカットをお願いします」
「変わったカット……ですか?」
「ええ。誰も見たことないような、奇抜なカットにしてみたいんです」
「うーん。難しいご注文ですが、なんとかやってみますね」
何度かやり取りを重ね、二時間かけてようやくサイトウさんが気に入るスタイルになった。長い毛を短く整えつつ、背中全体に段を入れた。名付けて『段シャリ』カットだ。
モデル業をしているサイトウさんのおかげで、ポメラニアン界では一大ブームになった。向こう一年まで予約でいっぱいだ。
その他
公開:24/07/18 13:52
☆やコメントありがとうございます✨
以前のアカウントにログインできなくなってしまい、つくりなおしました。
清流の国ぎふショートショート文芸賞 入選
ときどき短編〜長編も書いています(別名義もあります)
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