赤いイルカ

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 僕の部屋でビールの泡にぷかぷか浮かんでいると、ふわふわと雲のように身体が宙に浮きました。窓を抜けてビルを越えて空を越えて、そのままお月様の近くまでやってきました。
 お月様の近くでは、お星様が取り放題だと小耳に挟んだので、がむしゃらにお星様を取っていると、あんまりにも取りすぎたので「お星様が無くなるだろう!」とお月様に怒られました。
 そこに彗星さんがやってきて「そんなに星が欲しいのならくれてやる」と言って、お星様をたくさんくれました。
 けれどよく見ると、全て赤いイルカさんでした。
 騙したな! 畜生! なんて言ってると、今度は流星さんが現れて「手を出してごらん」と言うので手を出したら巨大な泡に飲み込まれて、気づいたら僕の部屋でまたビールの泡にぷかぷか浮かんでいました。
 何故だかわからないけど、しばらくこのまま浮かんでいようと思いました。
SF
公開:24/07/17 23:36

久保田毒虫( 広島 )

ショートショートコレクター兼アマチュア作家です。
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