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ぼくはオジギソウ。南原さんちのプランターに植えられている。世話をしてくれるのはお母さんで他の家族は興味も関心もない。でも最近、中学2年のリク君が毎日ぼくのところへ来る。そして全ての葉っぱを乱暴に触ってお辞儀させる。ぼくにあれこれと話しかけながら。
「おまえはいいよな。お辞儀だけしてればいいんだからさ」とか「お母さんはすぐに兄ちゃんとぼくを比べる」とか「教室で問題が起きるとみんなが僕を疑う。全部が僕じゃないのに」とか。そんな時リク君は悲しそうだ。家でも学校でも落ち着きがなくて、怒るとすぐに手が出てしまうリク君だけど、本当は優しくていい子なんだってぼくは知っている。
「あ、花が咲いてる。おまえ花が咲くんだな。かわいい花だなあ。おまえすごいよ」ってピンクの花を咲かせたぼくをめっちゃほめてくれて、リク君はもう乱暴に葉っぱを触らなくなった。
リク君だって必ず花が咲く。ぼくはそう思っているよ。
「おまえはいいよな。お辞儀だけしてればいいんだからさ」とか「お母さんはすぐに兄ちゃんとぼくを比べる」とか「教室で問題が起きるとみんなが僕を疑う。全部が僕じゃないのに」とか。そんな時リク君は悲しそうだ。家でも学校でも落ち着きがなくて、怒るとすぐに手が出てしまうリク君だけど、本当は優しくていい子なんだってぼくは知っている。
「あ、花が咲いてる。おまえ花が咲くんだな。かわいい花だなあ。おまえすごいよ」ってピンクの花を咲かせたぼくをめっちゃほめてくれて、リク君はもう乱暴に葉っぱを触らなくなった。
リク君だって必ず花が咲く。ぼくはそう思っているよ。
ファンタジー
公開:24/07/14 14:54
更新:24/08/04 14:04
更新:24/08/04 14:04
2023年10月から参加しています。作品を読んでいただき、ありがとうございます。
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