ブラックメリーさん

彼氏と喧嘩して、その腹いせに彼氏が一番大切にしていた人形を捨ててやった。そしたら…

『私、メリーさん。今、あなたの家の前にいるの』

この通り、見事に呪われてしまった。
だけど大丈夫。私だって身を守る術くらいは持っている。
相手が包丁を手に襲い掛かってきてもフライパンで迎撃してやる！

『私、メリーさん。今、あなたの部屋の扉の前にいるの』

背後を振り返る。扉がゆっくりと開く。

ターターター、タッタタータッタター、ターターター、タッタタータッタタ―

有名なBGMと共にメリーさんが現れた。
そのメリーさんは私が捨てた、彼氏の一番大切にしていたフィギュア。
全身黒尽くめで、顔には厳ついマスク。手には赤いライトセイバー。

「コーホー。コーホー」

メリーさん（ダースベ〇ダー）が私に左手をかざす。
何だこれ！体が…動かない！
メリーさんはゆっくり私に近付くと、ライトセイバーを振り下ろした。