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「月夜の海そ汁、一杯!」
群青の波へ、白い月光の暖簾が揺れる夜。
満月にかかる雲の船から雷小僧が真下の海へ注文すると、大きなクジラがぬらりと現れ、返事代わりの潮を吹く。クジラが尾びれで海面を思い切り叩くと無数の泡が沸き起こり、それらは次第にくっつきあって一つの丸い蓋付きおわんの形をした泡…あわんとなって空を海月のように昇っていった。透明なあわんの中では、月光の散りばめられた群青の海そ汁が、ゆらりゆらりと揺れている。
雷小僧は、あわんがちょうどよい高さまで昇ってくると舌をぺろりとして、釣り竿を大きく振り下ろす。途端、ピシャーンという轟音とともに雷の釣り糸が夜空を走り、素早くあわんを釣り上げた!早速、蓋側の泡を指でパチンと弾けば、静かな波音と爽やかな潮の香りが広がり、朧な月光ワカメが躍り出す。
「いだだきまーす!」
大きなシャボン玉みたいな満月を背に、雷小僧はあわん一杯の海を味わう。
群青の波へ、白い月光の暖簾が揺れる夜。
満月にかかる雲の船から雷小僧が真下の海へ注文すると、大きなクジラがぬらりと現れ、返事代わりの潮を吹く。クジラが尾びれで海面を思い切り叩くと無数の泡が沸き起こり、それらは次第にくっつきあって一つの丸い蓋付きおわんの形をした泡…あわんとなって空を海月のように昇っていった。透明なあわんの中では、月光の散りばめられた群青の海そ汁が、ゆらりゆらりと揺れている。
雷小僧は、あわんがちょうどよい高さまで昇ってくると舌をぺろりとして、釣り竿を大きく振り下ろす。途端、ピシャーンという轟音とともに雷の釣り糸が夜空を走り、素早くあわんを釣り上げた!早速、蓋側の泡を指でパチンと弾けば、静かな波音と爽やかな潮の香りが広がり、朧な月光ワカメが躍り出す。
「いだだきまーす!」
大きなシャボン玉みたいな満月を背に、雷小僧はあわん一杯の海を味わう。
ファンタジー
公開:24/07/17 22:42
更新:24/09/01 10:31
更新:24/09/01 10:31
泡
泡のおわんが空をぷかぷか
泳いでいくよ
海そ汁(うみそしる)
読んでくれてありがとう!
寒い季節になったから、気が向いた時にふらりと立ち寄ってゆるーく投稿しています。
少し早いですが、よいお年を!
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