泡と云うは弾ける事とみつけたり

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花火のような男だった。

泡助を誰もがそう言った。
泡に生まれ、泡と生き、泡と弾けた。そんな男だった。

泡助はどう弾けるかに全てを掛けていた。泡に生まれたからには、派手に弾けて散ろうと、そう常に言っていた。

ある日の事……。

「お止め下さい!」
「痛い目を見たくなきゃ大人しくしな!」

娘がゴロツキに絡まれている。だが相手は地主の息子。誰も手出しができない。

「汚い手を離せ!」

しかしそれを物ともしない男がいた。泡助だ。

「ふん!泡風情が生意気な!」
「ならば受けてみよ!泡の真骨頂を!……あ〜お客様〜?痒い所は御座いませんか?」
「ぬ……いや、大丈夫だ……。」
「……ふふっ。ここか?!ここがまだ洗い足りぬのだろう?!」
「糞!何故わかった?!」
「さぁ!心ゆくまで洗われるがいい!」

こうして泡助の洗髪テクにより事は収束した。
しかし泡とは儚きもの。

泡助は誇らしげに弾けた。
公開:24/07/16 23:21

ぽんず

ぽんずとかねぎとか薬味と調味料。
(たまに作品整理をします。整理したSSはNovelDays等にあります)
http://lit.link/misonegi

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