霊感商法　～イタコ～

３年前に亡くなった母に会いたくなって、イタコの元を訪れた私。
イタコが母の霊をその身に降ろす。
イタコの顔つきが変わった。キッと私を睨みつけ、口を開く。

「アンタまたこんな怪しげなモンに金使って！こういうんはね、詐欺なんやから手を出したらアカンやろ！何べん同じ事言わせたら気がすむねん！？こんなんに金使うんなら、私の墓に花の一本でも今すぐ備えんかいボケナス！」

イタコに憑りついた母に思いっきり怒られた。
思わず背筋が伸びる私。
それを見たイタコに憑りついた母は、私の首根っこを掴むと外へ放り出した。

「もう二度と来んなよ！」

ぴしゃりと戸が閉められる。
やれやれ…久しぶりに会った母はやっぱり怖かったな…
でも確かに、墓参りもしばらく行ってないや…母が好きだった花の一本でも持って、会いに行くのが先だったな。
イタコに料金を払う前に締め出された私。
供える花は少し豪華にしてやろうと思う。