ドリームチケット

クラスの女子が昨夜見た夢の話をしている。
夢を見るのは睡眠が浅い証拠。見ない方がいいに決まっている。
それを口にしてしまうから私は孤立している。
そんな私に女子が何かを渡してきた。ドリームチケット？何これ？
「それを枕の下に入れて寝ると、私の夢の世界に招待できるんだ。私が夢の素晴らしさを教えてあげる」
バカバカしい…と思いつつもその晩、私は枕の下にドリームチケットを入れて寝た。

気が付くと私は遊園地にいた。
『ようこそ！今夜は目が覚めるまで思う存分、夢の世界を楽しんでね！』
夢の主たる彼女は私の手を取ると自身の夢を案内し始めた。
見た目通りの遊園地のような世界は凄くワクワクして、目が覚めると夢の終わりを残念に思ってしまった。
夢をきっかけに彼女とは親友になった。
大人になった今でも私達は夢で頻繁に会っている。
現実だと会う時間が取り辛くても夢だと寝る時間を合わせるといつでも会えるからね。