戦う水琴窟

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闇に紛れ悪事を働く窃盗犯。立派な日本庭園の屋敷に忍び込む。玉砂利がキシキシと音を立てるが心配はいらない。家主は結婚式で出払っている。警備はハッキング済となれば大きな屋敷は近所から見つかりにくい。

「そこまでだ!盗人め!」
「何奴?!」

誰もいないはずの暗がりから声がかかる。窃盗犯に大きな壺(?)が立ちはだかった。

「……壺。」
「水琴窟じゃ!ボケェ!」
「水琴窟?」
「知らんのか?!全く最近は風流も侘び寂びも解らんで困る。まあいい。この家を家探ししたいのなら我を倒していく事だ!」

水琴窟はその音色を響かせた。金物の高い水音が優美に響く。
そう、水琴窟はその音色によって相手をリラックスさせ、その間に通報するのだ。

しかし……。

「や!やめろ!その雨漏りを鍋で受ける音!貧しかった子供時代を思い出す!うわぁぁ〜!」

こうして水琴窟は(意図せず)屋敷を守り抜いた。

「解せぬ……。」
公開:24/07/07 19:43

ぽんず

ぽんずとかねぎとか薬味と調味料。
(たまに作品整理をします。整理したSSはNovelDays等にあります)
http://lit.link/misonegi

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