作戦会議

とある文具店の店先で、文具たちが相談をしています。

進行役の黒板に、マグネットで留めたすみれ色の手紙。結婚式の招待状です。
「ボトルメールは？」便箋が花瓶を指させば、「全員乗れない」と蛍光ペンがイエローカード。「分乗すれば大丈夫」修正テープが請け合っても、付箋とコピー用紙は「みんな一緒が良い」と囁き合い、なかなか相談がまとまりません。

「みんなの『おめでとう』を形にして」
万年筆が原稿用紙に設計図を書き、
「ぼくらとあの子を繋いでさ」
鉛筆が引いた赤い線を、消しゴムがころころ巻き取って、
「風に浮かべて届けよう」
封筒が大事に包み、紙飛行機を折りました。

こっそり見ていた店主さんが、下敷きの空からしし座流星群を呼び出してくれました。
仲良く結婚マーチを合奏しながら、不思議使いの花嫁さんの許へ。
みんなでお祝いを言った後は、彼女が先生をしている、島の学校の子たちに使ってもらいましょう。