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「もし生まれ変わったら……私だってわかるように、しるしをつけてあなたの前に現れるから……」必ず見つけて、と妻はささやいて、眠るように息を引き取った。
まだあたたかい手を握りながら、「わかった。約束だよ」と答えた僕の声は、君に届いただろうか。確かめる術などないまま五十年の時が流れた。僕はすっかりおじいさんになってしまったけれど、妻の生まれ変わりには相変わらず出会えていない。縁あって家族になった三毛猫のミーコを溺愛する毎日だ。
「おぉ~い! ミーコ! ご飯だぞ〜!」
窓辺で毛づくろいしていたミーコを振り返った時、ハッとした。背中を丸め、前足を交差させたミーコの脇腹に、ある特徴を見つけたからだ。そこには『しるし』という模様がはっきり表れていた。
「そうか。おまえが生まれ変わりだったんだなぁ」
文字通りのしるしに苦笑いしながら、ミーコの好物をたくさん皿に入れてやった。
まだあたたかい手を握りながら、「わかった。約束だよ」と答えた僕の声は、君に届いただろうか。確かめる術などないまま五十年の時が流れた。僕はすっかりおじいさんになってしまったけれど、妻の生まれ変わりには相変わらず出会えていない。縁あって家族になった三毛猫のミーコを溺愛する毎日だ。
「おぉ~い! ミーコ! ご飯だぞ〜!」
窓辺で毛づくろいしていたミーコを振り返った時、ハッとした。背中を丸め、前足を交差させたミーコの脇腹に、ある特徴を見つけたからだ。そこには『しるし』という模様がはっきり表れていた。
「そうか。おまえが生まれ変わりだったんだなぁ」
文字通りのしるしに苦笑いしながら、ミーコの好物をたくさん皿に入れてやった。
その他
公開:24/07/02 22:21
☆やコメントありがとうございます✨
以前のアカウントにログインできなくなってしまい、つくりなおしました。
清流の国ぎふショートショート文芸賞 入選
ときどき短編〜長編も書いています(別名義もあります)
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