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公園の広場にずらりと並ぶ動物たちの、まるで生きているような躍動感のある姿を眺めて私は嘆息した。
「素晴らしい。当代随一の動物彫刻家、ミケ氏の腕はさすがですね」
園長は満足げに笑った。
「ミケ氏の作った像は夜中に生命を持ったように動き回るんだよ」
「それは凄い」
「だが、困ったことが一つあってね」
「困ったこととは?」
「彼が雄と雌の像を一対で作ったものだから、子どもが産まれ、像が増えすぎてしまったんだ」
「はあ」
「そこでミケ氏にまた頼んで作ってもらったのがあの像だ」
見ると広場の中央にライオンの像がある。
「でも、困ったことに今度はライオンが、鹿や馬を食べ尽くしてしまいそうになってね。このままじゃ広場から像が消えてしまう」
そう言って園長はポンと私の肩を叩いた。
「そこで人物彫刻の若手ホープである君にお願いしたんだよ」
一週間後、広場の中央に、私が作った調教師の像が設置された。
「素晴らしい。当代随一の動物彫刻家、ミケ氏の腕はさすがですね」
園長は満足げに笑った。
「ミケ氏の作った像は夜中に生命を持ったように動き回るんだよ」
「それは凄い」
「だが、困ったことが一つあってね」
「困ったこととは?」
「彼が雄と雌の像を一対で作ったものだから、子どもが産まれ、像が増えすぎてしまったんだ」
「はあ」
「そこでミケ氏にまた頼んで作ってもらったのがあの像だ」
見ると広場の中央にライオンの像がある。
「でも、困ったことに今度はライオンが、鹿や馬を食べ尽くしてしまいそうになってね。このままじゃ広場から像が消えてしまう」
そう言って園長はポンと私の肩を叩いた。
「そこで人物彫刻の若手ホープである君にお願いしたんだよ」
一週間後、広場の中央に、私が作った調教師の像が設置された。
その他
公開:24/06/30 19:51
更新:24/07/01 19:21
更新:24/07/01 19:21
老後の楽しみに、短いものを時々書いています。
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