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梅の花びらを模した二つ折りの求肥に、味噌餡と甘く炊いたごぼうを挟む、花びら餅という和菓子がある。平安期の宮中行事に端を発した伝統ある菓子で、新年の門出に食される事が多い。
この花びら餅を、夏の盂蘭盆会のお供え物に仕立てた菓子が『花火餅』である。
夏の夜空を模した藤紫の夜求肥に、色とりどりの花火餡と香で燻した打ち上げの尾を挟む。かじればにぎやかな音が弾け、熱々の餡と煙の匂い、鮮やかな火花のきらめきがあふれ出す。
口を付けずにしばし観賞し、花後の余韻を噛み締めるも良し。仲間や親族の集まりに、皿の上の花火大会を楽しむも良し。大輪の打ち上げ花火餅の他、ファミリー向けの手持ち花火餅、シンプルで根強いファンの多い線香花火餅など、用途や好みに応じて、大きさや餡の種類を選べる点も魅力だ。
華やかな中に、戦没者供養と鎮魂の祈りを込めた菓子である。今日の礎を築いた先人たちを貴び、合掌していただきたい。
この花びら餅を、夏の盂蘭盆会のお供え物に仕立てた菓子が『花火餅』である。
夏の夜空を模した藤紫の夜求肥に、色とりどりの花火餡と香で燻した打ち上げの尾を挟む。かじればにぎやかな音が弾け、熱々の餡と煙の匂い、鮮やかな火花のきらめきがあふれ出す。
口を付けずにしばし観賞し、花後の余韻を噛み締めるも良し。仲間や親族の集まりに、皿の上の花火大会を楽しむも良し。大輪の打ち上げ花火餅の他、ファミリー向けの手持ち花火餅、シンプルで根強いファンの多い線香花火餅など、用途や好みに応じて、大きさや餡の種類を選べる点も魅力だ。
華やかな中に、戦没者供養と鎮魂の祈りを込めた菓子である。今日の礎を築いた先人たちを貴び、合掌していただきたい。
ファンタジー
公開:24/06/30 18:30
SSGお菓子パーティー
創樹(もとき)と申します。
葬祭系の生花事業部に勤務の傍ら、物書きもどきをしております。
小石 創樹(こいわ もとき)名にて、AmazonでKindle書籍を出版中。ご興味をお持ちの方、よろしければ覗いてやって下さい。
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ベリーショートショートマガジン『ベリショーズ』
Light・Vol.6~Vol.13執筆&編集
他、note/monogatary/小説家になろう など投稿サイトに出没。
【直近の受賞歴】
第一回小鳥書房文学賞入賞 2022年6月作品集出版
愛媛新聞超ショートショートコンテスト2022 特別賞
第二回ひなた短編文学賞 双葉町長賞
いつも本当にありがとうございます!
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