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仕事休みの水曜日、小さな公園を通り抜け、駅へ向かおうとしていた。午前10時。制服姿の男の子がブランコに腰掛け俯いている。話しかけたら余計なお世話だろうか。躊躇しているとその子が顔を上げ、目が合った。「おはよう」と言うと頷いた。「いい天気」と言うと「そうですね」と返ってきた。ひと呼吸おいて「今日は学校休むって決めたんで。明日は行くから」と。「学校はどうしたの?」と聞かれると思ったのだろう。「ちょっといろいろあって」と。これも理由を聞かれる前の牽制か。「自分で決めたならいいんじゃない?」それから、どのアイスが好きかとか他愛もない話をした。しばらく話して、彼は家へ私は駅へ向かった。
2年前までの3年間、私は高校で教師をしていた。彼に似た生徒を教えた。その子は不登校になり、登校できないことを苦にして自殺未遂を図った。幸い命は取り留めたが、私も彼を追い詰めた一人だった気がして、罪悪感は消えない。
2年前までの3年間、私は高校で教師をしていた。彼に似た生徒を教えた。その子は不登校になり、登校できないことを苦にして自殺未遂を図った。幸い命は取り留めたが、私も彼を追い詰めた一人だった気がして、罪悪感は消えない。
その他
公開:24/06/28 01:48
更新:24/06/28 01:52
更新:24/06/28 01:52
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