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太陽光を調理する、サンシャイン・クッカーを手に入れた。
小腹のすいた午後三時、窓から差し込む西日をスライスし、カラリと揚げて夕焼けチップスを作る。
窓辺にクッカーを置き、チップスモードにダイヤルをセット、ふたを開けたら準備完了。眩しくぎらつく光が暖かくにじみ、お日様のにおいが漂い始めるまで、本を読みながらのんびり待つ。文字通りのスローフードで時間はかかるけれど、太陽の恵みをダイレクトに味わえ、食べると元気いっぱいになれる夏のご馳走なのだ。
午後五時、夕方のチャイムに目を覚まし、サンシャイン・クッカーをキッチンへ。
うたた寝の間に揚げ過ぎてしまっただろうか。不安は的中し、取り出したチップスは夕焼け色どころか、太陽熱で真っ黒に焦げ……
いや、どんより鉛色にくすんでいた。
寝ているうちに一雨来たらしい。渦巻く暗雲に激しい雷鳴と土砂降りをまとったそれは、夕焼けならぬ夕だちップスに変わっていた。
小腹のすいた午後三時、窓から差し込む西日をスライスし、カラリと揚げて夕焼けチップスを作る。
窓辺にクッカーを置き、チップスモードにダイヤルをセット、ふたを開けたら準備完了。眩しくぎらつく光が暖かくにじみ、お日様のにおいが漂い始めるまで、本を読みながらのんびり待つ。文字通りのスローフードで時間はかかるけれど、太陽の恵みをダイレクトに味わえ、食べると元気いっぱいになれる夏のご馳走なのだ。
午後五時、夕方のチャイムに目を覚まし、サンシャイン・クッカーをキッチンへ。
うたた寝の間に揚げ過ぎてしまっただろうか。不安は的中し、取り出したチップスは夕焼け色どころか、太陽熱で真っ黒に焦げ……
いや、どんより鉛色にくすんでいた。
寝ているうちに一雨来たらしい。渦巻く暗雲に激しい雷鳴と土砂降りをまとったそれは、夕焼けならぬ夕だちップスに変わっていた。
ファンタジー
公開:24/06/27 14:34
創樹(もとき)と申します。
葬祭系の生花事業部に勤務の傍ら、物書きもどきをしております。
小石 創樹(こいわ もとき)名にて、AmazonでKindle書籍を出版中。ご興味をお持ちの方、よろしければ覗いてやって下さい。
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ベリーショートショートマガジン『ベリショーズ』
Light・Vol.6~Vol.13執筆&編集
他、note/monogatary/小説家になろう など投稿サイトに出没。
【直近の受賞歴】
第一回小鳥書房文学賞入賞 2022年6月作品集出版
愛媛新聞超ショートショートコンテスト2022 特別賞
第二回ひなた短編文学賞 双葉町長賞
いつも本当にありがとうございます!
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