チョコミントの肉球

季節限定フレーバーの魅力に負け、サーティーニャンの猫スクリームを買ってしまった。
「お待たせしました。チョコミント・ショートヘアです」
ちぐらカップで丸まるふわふわの毛並み。淡いミントグリーンとチョコ縞のコントラストが目にも涼しげだ。三角お耳と長い尻尾を揺らし、ミンミン鳴く姿はにゃんとも愛くるしく、アイスである事を忘れそうになる。
「暑いと液状化しますので、涼しいお部屋でお楽しみください」
なるほどさすが猫である。ぐで～っと溶けた姿も魅惑的だが、気の毒なのでエアコンの効いた店内で堪能する。

直接触りたい誘惑をこらえ、付属の猫じゃらスプーンを近付ける。
じゃれつく前肢が、スプーンにチョコチップの肉球スタンプを捺した。
ひんやり冷えたスプーンに鼻を寄せると、甘く爽やかな香りが広がる。
……あぁ、たまらん。

しかし致命的な欠点が一つある。
アイスと分かっていても、可愛すぎて食べられないのだ。