リュウゼツラン(竜舌蘭)

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数十年に一度しか花が咲かない大きなリュウゼツランが
もうすぐ咲きそうだと話題になり駅前広場にある、その植物の前に人々は毎日のように集まっていた。
テレビ局も来て、ニュースになる。

しかし繊細なリュウゼツランは毎日、騒々しく怖くて怯えていた。

今日も終電が終わり、深夜になると誰も居なくなった。
そこに終電を逃し、酒に酔った若い男が通りかかった。
男は酔った勢いで、リュウゼツランに登り始める。
しかし酔っているので上手く登れない。頭に来た男は茎に
何度も噛み付いて高笑いをした。

翌朝、リュウゼツランは茎の長さが8メートルもある頂上に、黄色い花を50年ぶりに咲かせた。
人々は200人以上も集まり、スマホで写真を撮っている。
テレビ局も再び来て生放送で、リュウゼツランの開花を知らせた。

されど人々は気が付かないだろう。
黄色い花びらの中に、竜舌蘭が食べ残した男の小指がある事に…。
ホラー
公開:24/06/22 13:35
更新:24/06/29 23:29

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