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ギラつく照明の熱と、興奮が汗を滴らせる。肌を滑る汗は照明に反射して、キラキラと輝く。その瞬間がまるで、スローモーションのように俺の脳裏に刻まれる。ドラムの音は観客の体内を踊らせ、ベースの低く、湿った危険な音が観客を夢へと誘う。そして、俺のギターが観客のボルテージを最高潮まで押し上げる。スピーカーから流れる空気の振動が肌を撫で、喉を突き刺し、ここにいる全員の深いところを占領していく。ギラギラ輝く照明が、割れんばかりのスピーカーの音が、気を抜くと、刺してきそうなメンバーの熱気が、観客の狂乱が、俺のギターの歪みが、熱い、熱い、熱い、熱い、熱い。そして、何より俺自身が。俺は吹き出る汗も拭わず、この状況に怯えているかのように静々と寝そべるエフェクターを上から踏みつける。ギターの音色が変わる。観客は依然として夢の中で踊り続ける。
今夜、この世界で1番輝いているのは俺たちだ。
今夜、この世界で1番輝いているのは俺たちだ。
青春
公開:24/06/25 21:14
更新:24/06/26 02:11
更新:24/06/26 02:11
舞茸です。
舞茸そのものです。
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