青天島虫

雨上がりの雲一つない青空。
こんな日、私はお散歩がてら青天島虫を探すのが好きなんだ。青天はね、実はいつも見ている空とは違うんだよ。底の真っ青な青天島が私達の街の上に滞在している時なんだ。地上への陽光を遮らないように、青天島の底には大きな穴が開いていてね、だから島があってもいつも通りに太陽も見えるのさ。そしてこの穴から、稀に青天島の生き物が地上へ迷い込んでくることがあるんだ。私が今探している青天島虫もそう。見た目は地上のナナホシテントウによく似ているんだけど、体の色は青色で光の粒が七つある。青空の欠片があったら、きっとあんな感じなんじゃないかな。すごく綺麗なんだ。青天島に生息しているだけあって青いものを好むから、青い標識や信号、海辺なんかを注意深く探すのがコツさ。
…ほら、見つけた。青い紫陽花に1匹とまってる。しかも今日はラッキーだ。雨上がりだったから、青天島虫の光の粒が七色に輝いているよ。