静かな才能

争いなく生きることが心情だった。
だからこそ、人と争うこと無く、いきてきた。

「あれだけ面倒を見てやったのに。」
先輩に殴られた。
決して、やり返さなかった。
会うことをやめた。

仲良くなりすぎた。
距離が近くなると、お互いに甘えが生じる。
「殴って悪かったな。」
そう先輩は言った。

人は距離が近くなるほど、嫉妬心を抱きやすい。
近い存在が自分よりも幸せそうだったら、強引に相手を不幸にして、自分の惨めさを補う。
だからこそ、相手を認め、向上心を持って生きないと争いは無くならない。

静かな才能は争いのない世界を作る。
心穏やかであることが、人の心に潤いを与え、豊かな心が連鎖していく。