愛こそが余裕

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愛に溢れる人は余裕がある。
私の父は寡黙の人だった。
ただ自分の生き様を背中で語りかけていた。
私が若いときは寡黙な父に苛立ちを覚えていた。
「そんなことして何か意味があるのか?」
その言葉だけが脳裏にこびりついていた。

私が酒を飲める年になった頃、父を飲みに誘った。
父のことを理解したかった。
「男は自信を持って堂々と生きろ。」
脳裏にあったあの忘れられない言葉が書き換わった。

ふと思えば、不自由なく生きてこられた。
仲良し親子ではなく、姿勢で示すという昭和的教育だったのだと、その時、悟った。

ずっと愛を与えられて生きてきた。
父は時間も金も心にも余裕がある人だった。

余裕があっての愛であり、愛を生むのは余裕。

そんな父のようでありたい。
その他
公開:24/06/16 08:33

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